KANJI ESSAY

~漢字たちと共に暮らす~ 胡蝶の週間漢字トリビア帳

気になった漢字や言葉を読みやすくご紹介いたします!

2021年6月の漢字トリビア帳

2021年6月13日

象形文字で、手を上げて舞い踊る人の形です。
巫女が踊っている姿ですが我を忘れて気を「うしなう」から出来ました。
「笑」も神を楽しませるために巫女が踊っている様子から出来た漢字です。
他にも「無」「舞」「楽」の字も、シャーマンが踊っている姿から出来た漢字で、どれも人の為ではなくて神様のための行いでした。
漢字も、もともとは甲骨文字と言って、神様に政治的な判断についてお伺いを立て、占ってもらうために用いていたものでした。
古い文字で左右が今と反対だったりする理由は、神に見せるためだったからというのが通説になっています。

続・ 2021年6月13日

中国ドラマ コウラン伝~始皇帝の母~が先日最終回となりました。
半年間、1話も欠かさずに観ていたので、大変な喪失感です。
ドラマが完結したので、その後の始皇帝がどうなったか調べていたら、病で59歳で巡幸中に死去し、その時に一緒にいた、胡亥という息子に他の王子を後継者にと書いてある遺言状を残したものの即破り捨て、自分が後継するという遺言状に書き変え、全ての兄弟と父始皇帝の若い沢山の妃も皆殺して皇帝の座に就いたそうです。
でも、5年で秦は滅亡しました。

2021年6月13日

漢字の成り立ちとしては、とても分かりやすく、今と全く同じ人間の行動から作られている漢字です。
自は、鼻の形で、自分の鼻を指して、ジェスチャーしたことから自分の「自」の意味になりました。
コロナ禍では、今まで続いて来た人間のコミュニケーションの手段が難しくなり、海外のスキンシップが多い国の人たちにとってはより、我慢の多い日常だろうと思います。
先週から少し暑く感じる日があり、日本では、流しそうめんは出来なくなるだろうなと、ふと考えてしまいました。

続・ 2021年6月5日

天=円で、四角=地という法則が中国で古くからあるということを、先日書きました。
そのことから通じるのですが、秦の始皇帝が貨幣を丸くすることを定めたそうです。
それまでは、貨幣の形は中国の中でも国ごとで長い形だったり様々な形でした。
円い形で中が四角く穴が空いているのは、日本の江戸時代にもそっくりな貨幣があり、始皇帝が考え出した形が後世にも息づいています。

2021年6月5日

しんにょうは、歩く、行くの意味があり、首は他族の首を手に持ちその呪力で呪いを祓い清めて進んだことから、「道」の字が生れました。
秦の始皇帝が中国国土を統一しやすくするために 度量衡、道幅や、文字などを統一しましました。
始皇帝専用の文字を篆書(小篆)体とし、臣下(君主に仕えるけらい)が隷書を使用することを定めました。
今では隷書体は、お札や〇〇新聞などの字として使われていて、名称として立派な印象を与える場合に使われていることが多いです。
筆跡鑑定としては、縦画を長く書く人は組織のトップに向いている人で、縦は短く横に延びた線で書く人は社長の下で能力を持っている立場の人という一つの見方があります。

聖徳太子 2021年6月5日

先日、聖徳太子のことを取り上げた番組内で、筆跡に関して注目していました。
聖徳太子の書いた字の特徴は、横画の細長い線で、転折(右の角)が丸く膨らんでいるのが主な特徴でした。
中国の文化を意識し改革をしていたこともあって文字も中国の影響を受けて書いていると思うので、100%聖徳太子の字の特徴として観るのもどうかと思いますが、角が丸くなっている部分を見ると、包容力があり柔軟な性格だったということが言えます。
それと写経生のような職人型の字ではなく、途中途中で字の大きさに変化があるのも特徴で、チャレンジ意欲が強く、やはり、波乱万丈型の字でした。
聖徳太子の人間味も感じられ親しみが持てました。
聖徳太子の像の目の部分の中に、観音菩薩が入っていて、聖徳太子の人柄もまさに民を思い、菩薩様のような信頼のできる人柄だったと言われています。
だから、日本のお札に何度も登場するに相応しい人物ということのようです。

2021年5月の漢字トリビア帳

雲月 2021年5月29日

雲の字は、雲の中から竜の巻いている尾が少し現われている形です。
「月」はその見た目通り、三日月の形です。
一昨日、皆既月食とスーパームーンだったそうですが、その日はニュースを見ていなく後から知ったのですが、前の日の夜にマンションの階段の踊り場から見えた月に感動し、月の影のような凹凸の黒い部分を、まじまじと暫く見ていました。
そして、月の明るさで重なっている雲が透け、レースのカーテンのように見え、本当に幻想的でした。
本当にたまたまですが、「満月」と書いた作品を4日前に思い出して飾っており、たまたま月食のあった次の日に片付けていました。
今思えば、月の力の何かしらの影響があったのかも知れません(笑)

羊毛 2021年5月29日

私にとって、筆は自分の手の延長にいつもある大事な道具ですが、羊毛と言っている筆は、実は山羊(ヤギ)の毛です。
羊毛というと、ウールになるモコモコの羊を思い浮かべ、ストレートパーマをかけて筆になっているのかと思っていましたが、実は中国の山岳地帯の断崖絶壁などにいる、ヤギの毛で作られています。
一般に使われている筆の毛は、自然界の山羊ではなく、家畜として飼われているヤギの毛であることが多い思いますが、山羊(ヤギ)の顎の毛は長く、筆のように真っ直ぐ伸びていて、顎のひげの部分だけ使用した筆はかなり高価だと思われます。

2021年5月29日

円相の課題作品を制作していて感じたことですが、円には他の形にはない、「氣」を感じるということです。
とにかく〇という記号の意味だけではない特別な力があるように思います。
それもそのはずで、中国で古くからある「天円地方」という宇宙観の思想があります。
天は円く宇宙を表し、地方は四角「方形」大地であるという考えです。
書の世界にも同様に、殆どの漢字の形は〇と四角で囲うことができるという先生の研究をもとに、CACAのグループで取り組んでおり、それをアートにするという前代未聞の研究と制作に取り組んでいます。

文字1 2021年5月22日

先日、ネットで買い物した品物が届き、個人の方から送られて来たため、手書きの文字でメッセージや送付状などが書かれておりました。
大変綺麗な字で、しばらく見入ってしまいました。
はつらつ感と熟成された渋みが同居している印象を受ける文字でしたので、60代くらいの方なのかな~、生活環境、お顔など色々と妄想が止まらなくなりました。

文字2 2021年5月22日

ある年齢層、大体ですが、60代半ば以上の方の文字は日常の中で手書き文字が主流だった時代のせいもあり、いわゆる達筆な方が多いように思います。
その後、今の40代~50代では丸文字や、のりピー語などが流行り、ポップな字やペン字の横文字に適した字へと変わりました。
丸文字は、温かみと人懐っこさを感じ、ちょっとしたメモなどに書いてあると癒されますね。

文字3 2021年5月22日

手書きの文字については、個性がある字も魅力的で、上手くなって欲しくないと思うこともあります。
ただ、字にコンプレックスを抱えている方も多いようです。
自分の名前は一番頻繁に書くのに上手くならないのはなぜかというと、「潜在意識」=「無意識」が自分の身体を通して書いているからです。
「顕在意識」と「潜在意識」と両極がありますが、考えて行動する力「顕在」より、無意識に動こうとする力「潜在」の方が何倍も強いので、よほど意識して上手くなりたい、変わりたいと願って訓練をしないと、字は何度書いても同じなのです。
自分の経験としても、名前は書き慣れているため、安心してしまい練習しないので下手なままということになってしまいがちです。

2021年5月16日

今回は、紙の漢字の成り立ちではなく、紙を発明した人の話をご紹介します。
中国の後漢時代、和帝に仕えていた人物で「蔡倫」という名の宦官がいました。
物を作る技術に優れ、弓矢、馬具、剣などは第一級品で宮中でも有名でした。
そしてある時、魚網に、麻や樹皮などが絡まっている様子を見てひらめき、研究を重ね、紙を作り出しました。
そして、105年に和帝に献上したことが紙の始まりとなり、絹よりもさらに歴史的な発明へとつながって行くことになります。

続・ 2021年5月16日

その後、蔡倫が発明した紙は、751年、唐の軍隊がイスラム帝国の軍との戦い(タラス川の会戦)で敗れ、捕虜となった兵士の中に紙漉き職人がいて、そこから紙漉きの技術が西方のイスラム世界に伝播されました。
それまでパピルスや、羊皮紙だった西洋にとっても革命的だったことでしょう。
それにしても唐から西洋へ伝わるまで600年以上の月日がかかっているのも、現代の世界中の情報が一瞬で伝わるスピードと桁違いですね。

2021年5月16日

心を満たすこと、「満足感」を得ることは、一日の中で幾度かあると思います。
「満」の字の漢字の成り立ちは、膝掛けの刺繍がびっしり全体に施されている様子から出来た漢字です。
中国、韓国ドラマを観ていると、皇帝貴族の衣装は必ず、超豪華な刺繍が施してあり、衣装だけ見ていても飽きないくらいです。
価値が高い絹糸を存分に纏っていることが権威の象徴だったのだろうと思います。

2021年5月10日

この時期にふさわしい漢字は”薫風の「薫」”ではないでしょうか。
薫は、新緑の時期の爽やかで上品な風のイメージですが薫の漢字1文字で考えると、鍋か袋に入れた香草などを下から火で炙っている形です。
「墨」の字も、同じように下から火で炙って煤(すす)を集めて膠で固めて作っていることから、その状況を想像することが出来ますね。

2021年5月10日

草冠と、方が農機具のスキの形。
延びた草を刈るということになります。
良い花の香り。かんばしい香り。良い行い。賢い人。など色々な良い意味で使われます。
父の名前「芳孝」の一文字で馴染みがあった字です。

琉球 2021年5月10日

中国の隋(600年ころ、日本だと飛鳥時代)が「流求国」と記したことから琉球国となりました。
「沖縄」の呼び名は、日本本土で呼んでいた名だそうです。
先日、沖縄の琉球舞踊関係のお客様からのご依頼で認定状を書きました。
「琉球」という2文字が気になり、調べてみたところ、王ヘンは、本来は、玉の意味があり玉を紐で3つ結んだ形ともされています。
中国の古代から、王様の棺は、玉で覆われていたり、王様だけが持つことが出来た宝飾品だったという話もありますので、王=玉というのは納得できます。

2021年5月7日

草や、芽が上に生える象形文字です。
先月の銀座の展覧会の時のことですが、展示している作品の上を、虫が歩いるのを発見したのです。
一瞬ドキっとしましたが、急に気温が温かくなり、虫、花、などあらゆる生命が活動し始める季節になったのだな、と感じました。

2021年5月7日

今日、レアなお名前の方から名刺を頂きました。
衣が2か所も入った苗字でした。
埼玉と新潟に多く、日本に600人程度しか居ないお名前だとのことでした。
そこで、もっと掘り下げて調べてみました。
やはり、祖先の職業が僧尼の衣服(袈裟)の関係のお仕事だったそうです。
衣の漢字の形は、袈裟の襟元の形から出来た文字で古代中国では、色の染料が貴重なほど、高貴な位の人がその衣の色を身に付けるということが主流でした。

2021年5月7日

先日、「楊准表記」1世紀後漢時代の石碑で(古隷)と呼ばれる法帖を見ていたら、尚の字が沢山ありました。
可愛い字だなと思っていたところ、お客さんから「尚」の字を作品にして欲しいという依頼を受け、気になって調べてみました。
「尚」は建物の形を表し、その時代、片側が流れた屋根が主流でしたが、位の高い人の家は両方が流れ屋根(三角屋根)であったことから高尚な、尊崇な意味の字として用いられるようになったそうです。

2021年5月2日

「風」の中の部分は、もともと鳳「ほう」の字で、「虫」ではなく、鳥だったそうです。
ある時期から鳥ではなく虫に変化しました。
虫は、鳥蟲篆の書体でも使われているように、虫ではなく蛇のことを言います。
龍は体は蛇だとされおり、風の中の虫は「龍」のことのようです。
今日、風が吹きつける雨の中を歩いていて思いましたが龍が風を起こし、水しぶきを巻き散らしているように感じました。
太古の人は、同じように想像して漢字に投影したのかなと、思いました。

2021年5月2日

右のつくりの下部は、「心」の下は足をクロスさせている形です。
他人の悲しみに気づき、振り向いて寄り添い同じように悲しむ人の姿です
あの太宰治も、「優」の漢字が一番好きだったと聞いたことがあります。
優秀などの字として、優れているという意味に使われますが、「優」の成り立ちの意味は、悲しい出来事の経験が多いほどより、分かることのように思います。
ある方から、「人は、片親を亡くして半人前、両親を亡くして一人前になる。」という言葉を教えられました。
とても「優」の字の意味に共感できるようになりました。

2021年5月2日

白い糸を染め汁に入れる時に束ねられた結び目の部分が白く残り、その部分を「素」と呼びました。
「書」でいう素心(素朴)の書とは、自分の中の染まっていない白(素)の部分を探してただの棒を引く感覚で書いてみる。
素の線で書いた文字は、嫌味がなくいつも一緒に居たくなる字となります。

素人「しろうと」白
玄人「くろうと」黒