博多織 2023年02月08日
昨年末から、着物の教室に通い始めまして、着付けの勉強の中で、着物の生地を作る染織技術が特に面白いな~と感じ、どの染、織の技術も職人の労力に脱帽するばかりですが、模様に託された意味を知ると、さらに興味が膨らみ日本の伝統文化を知ることにもつながるのでご紹介したいと思います。
今回のテーマ
~博多織の模様のモチーフは実は、空海が持っていたあの道具だった!~
です。
◆空海が遣唐使として唐へ渡り密教を師の恵果和尚から日本人でありながら、ただ一人選ばれ、わずか2年で継承したのですが日本に帰国する際に、明州(現在=浙江省)の港から、師から授かった三鈷杵(法具)取り出し密教を広めるのにふさわしい地に導きますようにと東の空へ力いっぱい投げました。
そして10年後、空海は高野山の松の木にこの三鈷杵が引っかかっているのを発見し、三鈷杵の導き通り、高野山に真言密教の道場を開こうと決意したという伝説があります。
実際は、願掛けの為とは言え、師匠から授かったものを海に投げるような行為をしたかは疑問ですが、、。
【出典】小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
◆三鈷杵(さんこしょ)=(金剛杵、独鈷どっこ)は、もともと古代インドの武器で煩悩を破る意味を持っていて、インドの仏さまで帝釈天が手に持ち、象に乗っています。
先日、博多織の職人さんが博多から来られ、教えて頂いたのですが博多織の模様は、独鈷(どっこ)をコロコロ転がした模様だそうで、帯の内側に小さい独鈷をお守りとして忍ばせているのを見せて頂きました。
博多織の模様は、ただの幾何学模様ではなく邪気、災い、恐れ、不安を振り払うための護身の意味を持っていたのですね。
そして、もう一つは江戸幕府への献上品として納められていたそうです。
そんなに格が高い織物だったという事も、恥ずかしながら初めて知り驚きました。