大陸書道
前回記事の回教展からのつづきです。

イスラム文化での書道芸術について考えてみました。
イスラム教の書は、アラビア書道と言われ、イスラームの美術品にも文字がびっしり刻まれていたり、モスクのタイルと一緒に掲げられていてデザイン装飾として見て、とても美しい文字です。
意味としては、殆どがイスラム教の聖典(コーラン)が書かれています。
今のイラクの首都バクダッド(イスラーム文化の中心都市)で王朝御用書家を養成し、世代が変わっても、一点一画が同じように書けるような技法で作られ、それによって文字が変わらずに継承されて来ました。
日本でも奈良時代に、厳しい試験を受けた写経生が写経所で寝泊まりし、朝から晩まで写経していた事と同じようなシステムだと思われます。
因みに日本で「アラビア書道」と呼んでいるのは、紙に墨で書いているという点が重なるからだそうですが、アラビア書道は葦や竹ペンを使用しており、筆先は毛筆のように、墨を沢山含まなく弾力も無いため、多様な線は出ません。
もともと一般庶民の文字では無いので個性は殆ど無いですが、代りに整然とした秩序があり、その美しさに心惹かれます。

そして、もっとアラビア書道に近いのがモンゴル書道です。
モンゴル文字は、アラビア文字を縦書きにした文字だそうです。
同じ大陸なので、西から東に文字が普及していったと考えられます。
モンゴルでは遊牧生活のため、もともと文字文化は発展していなかったイメージでしたが、昨今になり、6世紀ころ書かれたモンゴル文字が発見されたそうです。
日本の飛鳥、奈良時代と同じ時期だということになります。
なぜモンゴル文字になって、横ではなく縦書きになったかという理由は分かりませんが、中国で4世紀に紙が誕生した事からモンゴルでも紙が普及し、縦書きになったのかなとも想像できます。
モンゴル書家の書を見ていると、紙面全体を使って大きなベクトルで書かれているため遊牧民の行動範囲の広さから来ているのでは?と文字心理学の視点で見て感じました。
書き手のまなざしに、もう少し。