創造
先月、五峯ギャラリーで開催した展覧会に出品した中の一つ「創造」を昨日ご購入者のご自宅へ納品し、無事に嫁がせて頂きました。
ご購入いただいた決め手は「創造」という言葉が大好きな事と、ポップでカラフルな色調の額と文字の雰囲気が合っていて惹かれたとのこと。ご本人も、インテリアコーディネーターや工芸、書をやっている方なのでぴったりだったようです。

今回の作品の元になったのは、中国の漢時代以降の宮殿、陵墓、城壁などの部屋の壁、柱や門、床などに敷き詰めらえた塼(せん)=(煉瓦タイル)また画像石題記の拓本資料の中から文字を選び取り、紙は画用紙、筆記具はパレットナイフで描き、部分的にマスキングテープなどで装飾し、現代的な文字アート作品に仕上げました。


ちなみに画像石題と言うと、現代でいうモニター画面上に映る画像のことを思い浮かべてしまいますが、画像とは、動物や、文様などの肖像画を石に刻んだもののことです。
この塼や、石題の書体のベースは、篆書や隷書で、そこに鳥蟲篆などが装飾的に加味され、どれも古さが感じられなく、現代人にも通じる新しさすら感じます。
その理由は書の基本フォルムが根底にありながら、一字一字に多少の創作がされ、人の手による温かさと、石に刻まれた強い線が緊張感を生み、だたのレタリングだけではない永遠の美が宿っているからだと思います。
先週亡くなられた、ファッションデザイナーの三宅一生氏は、7歳のときに広島に投下された原爆で親を亡くし、自分一人が生き延びたというトラウマを逆境に、「破壊ではなく創造できるもの、美と喜びをもたらすものを考案するのが好きだ」と語り「再創造」という言葉をモットーとしていたそうです。
アバンギャルドでありながら、用の美が一体になったファッションが世界中の人に愛され、奇抜さだけでは飽きられてしまう、という事を教えられたような気がします。
旅と、古代の息吹をたどる