写楽

文 出口胡蝶

東洲斎写楽は、江戸時代中期の浮世絵師としてデビューし、わずか10カ月間で画業から足を洗い、姿を消したと言われる謎の絵師として有名ですが、なぜ、そんな超短期間で姿を消したかという理由があるのを知りました。
写楽は、同じ役者絵を描いた絵師と比較し見てみると、顔の特徴を大胆に誇張して、皺や、鼻など大きく描くため、書かれた役者からは自分の欠点を誇張されたことで嫌厭されてしまったからだそうです。
当初は、蔦屋というプロデューサーのような人物が、写楽の才能を見いだし、いきなり綺羅刷りというキラキラ光沢のある高級紙を使って一流絵師として写楽を売り出し、大当たりしたそうですが、あっという間にライバルが出現し、個性を抑えた作風に写楽の絵は負けてしまい、写楽は自分の描きたい画風を否定されたことで、描くことの意味を失いもとの能役者に戻ったと言われています。
逆に、世間に合わせて沢山売れる絵を描かなかった写楽は、後世で高い評価を得たことは、言うまでもありません。

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